Listen to Namo Naki Onna No Uta song with lyrics from Sound Horizon

Namo Naki Onna No Uta

Sound Horizon22 Apr 2015

Namo Naki Onna No Uta Lyrics

名もなき女の詩 - Sound Horizon

詞:Revo

曲:Revo

 

通り過ぎた遥かな灯が

 

落とした影に花は移ろい

 

乾いた風が撫でた女の肌に

 

深い皺を刻む

 

嗚呼朱い空を征く白い旅鳥よ

お前は辿りつくべき場所を

知っているのかい

 

嗚呼連れて行っておくれ

 

置いていかないで

 

声に出来ない声

 

遠ざかる光に

 

手を伸ばした夜に

確かなものなど何ひとつ無く

 

逃げ込んだ儚い幻想

 

舞い散る花びらの中

笑う貴方と私と二人の

 

追憶に揺れる可憐なる

其の朽花に

 

咲き誇るバラは永遠に届かない

 

然れど然れど唯一輪

 

この世の常ならざる

薔薇がある

 

冬枯れの世界を常春が如くに

照らし賜う美は誰ぞ

其れぞ我らが女王陛下

 

わぁー

粉挽き屋の旦那に聞いたんスけど

うちの親方がモテなさ過ぎて

とち狂って遂に

女かどわかして来た

ってマジっスか

ってヤッベマジだッ

馬鹿野郎

 

おぉ気が付いたかい

アンタ

この水車小屋の近くの森で

倒れていたところをよ

ここに運び込んだのさ

 

でスよねぇ

やぶ医者の奴の話では

過労と栄養不足だろうってさ

このままじゃ危なかった

だろうってさだが

彼は笑って

何か取り出した

あんた本当にツイてたなさぁ

遠慮はいらねぇどんどん食えよ

パンなら売るほどあるんだ

って

 

まぁパン屋っスからねぇ

 

いい食べっぷりだなぁ姉さん

Tres bon

 

そんな経緯で

命を取り留めた私だったが

ある心境の変化に戸惑い

愕然とした後

不思議と前向きに

生まれ変わったような気持ちで

暫しパン屋さんのお仕事を

手伝うことにしたのであった

パン屋の朝は本気でヤバいぜッ

鶏より太陽より早起きで

生地を

捏ねる捏ねる捏ねる

寝る

 

ウチのパンは生地がウマいぜッ

麦の種類粉の挽き方

水に至るまで

拘る拘る拘る割る

 

風土の関係で我が国の小麦は

他国の様には

ふっくら膨らまないけど

外はパッリパリ中はモッチモチ

工夫次第じゃ

まだまだ美味くなる

ウチのパンで

皆の腹をパンパンに

してやるぜッ

 

焼き上げ時の指示はムズいぜッ

長くてもだめ短くてもだめ

石窯と睨めっこ

様子見様子見様子見

 

口は悪いが腕は悪くない

顔も悪いがそれは

「放っとけよ」

 

場所は帝都パリ美味さは論の勿

Boulangerie de besson

看板が目印

ウチのパンで

お前の腹もパンパンに

してやるぜッ

 

逢う方なき影追う日々の

 

光を見失い

 

傷を負う程に老う事に

 

疲れたのかも知れなかった

 

倒れる以前の私ならきっと

 

這ってでも旅を

続けたのでしょうね

口ずさむ歌でも

 

あれは違ったの

 

薄情な女ねけれど

 

人並みの幸福を

願ってはいけませんか

ふゆを乗り越え

咲くのが花の命だもの

もし此れが借り物の物語

だとしても

はるのひかりを

 

浴びて散りたい