收聽矢野絢子的Futatsuno Present歌詞歌曲

Futatsuno Present

矢野絢子2005年10月12日

Futatsuno Present 歌詞

ふたつのプレゼント - 矢野絢子

詞:矢野絢子

曲:矢野絢子

クリスマスが來るたび私の名前を

思い出す人がいるのを

私は知っている

どんなに時が経っても

たった一瞬でも

その人はきっと私の名前を

思い出してくれる

二つの時に引っ越した

小さな町は田舎町

家と山と畑ばかりで

淺い川が流れてた

父さん母さん仕事人スーツと

白衣がかっこよくて

新しい家で兄ちゃんと

二人の夜も怖くなかった

雨が降ったら町中川で

茶色い水にどぶって遊ぶ

探検隊や姫や絵描きや

毎日遊んで忙しい

小學校になるころ

父さんは一人はぐれてた

働き者の母さんの後姿は

真っ直ぐだった

いつからか四人の朝食は

空気が重いと知っていた

私は一人しゃべって笑って

知らないふりをしていたさ

大好きな友達と

日が暮れるまで遊んで帰り

黙って私の布団で泣く

母さんと眠ったよ

時々だけど父さんは

私を連れて日曜市へ

父さんの真似してみたり

ぶら下がって歩いてみたり

一番嫌いなお正月は

父さんと會社の人たち

お酒臭くてうるさくてでも

お年玉はしっかりもらった

小學校も終わる頃

父さんは煙になった

怒鳴り聲と叫び聲

あの日私は知らないふりをやめた

恐ろしいほど靜かで

めちゃくちゃな部屋に飛び込み

母さんの體を拭き

包丁をしまって外に飛び出した

病院を出た母さんと

狹い汚いアパートに逃げた

列車が行く度大地震

祕密基地みたいなとこだった

電車に乗って學校にいくのも

面白かったけど

兄ちゃんの姿が

どうしても見えなくて

中學一年になってから

隣の町に引っ越した

新しい町と暮らしに

父さんの影も消えた

母さんは母さんでなく

一人の生きる女として

初めて弱さと強さを見せ

一番の友達になった

一年餘り暮らした町から

又この町に戻ってきた

三人で手をつないで戻ってきた

それぞれの暮らしが

あの淺い川のように

ゆっくり流れ出した

小さな町に戻って

最初のクリスマス

一人で家に帰ると

玄関に立てかけてあった

一輪の赤いバラと

ポインセチアの鉢植え

メッセージも何もなかったけど

すぐに気づいた

背中に丘の夕日が

消えていくのを感じていた

一人でここに來て

置いてった姿を思った

涙が頬を伝って落ちた

初めての靜けさ

なんて靜かな二つのプレゼント

ひとつひとつの悲しみの中

父も母も兄もみんな

精一杯だった

私は一人しゃべって笑って

知らないふりをしていたよ

それでも幸福としかいえない

子供時代が終わった

自分らしく生きる事が

愛する事や許す事だと

知らないうちに學んでた

私の大切なあの時代

クリスマスが來るたび私の名前を

思い出す人がいるのを

私は知っている

どんなに時が経っても

たった一瞬でも

その人はきっと

私の名前を思い出してくれる

元気でいます

歌を歌っています

十二月二十五日

 

私は二十五になったよ