2小時半訴盡30年...~06年ver~ 歌詞
30年を2時間半で・・・~06年ver.~ - 森山良子 (Moriyama Ryoko)
詞:麻田浩/森山良子
曲:麻田浩/島健
こんな事ってあるのね
渋谷のデぱ地下
レジに並ぶ私の目が懐かしい橫顔に釘づけになった
他人のそら似 イエ、
髪には白いものが・・・でも、彼だわ
ドキッ
早まる呼吸、
聲をかけようかかけまいか、
カゴに入ったおとうふや
泥つきゴボウの先っぽが揺れている
こんな事ってあるのね
若い日々の戀がよみがえる
気づかないで私に・・・あ、やっぱり気付いて・・・
ヤダ、マスカラが目の下に
落ちてないかしら、ヤダ、
小鼻がテカッてないかしら
彼がふと振りむいて、
瞳と瞳が重なって照れくさそうにほほえんだ
今だに恥ずかしがり屋なのね、あなた
「元気?」「うん、この通り、まあ何とか元気にしています。
今夜のおかずを買ってるんだ。そこのおからがおいしいんだ。」
「あ、私も時々あそこの買う。おいしいよね。」
あ、なれなれしくないかしら…。
人波が消えてゆく。レジが済めばそこでお別れ。
「ねえ、もし時間があれば、お茶でも飲もうか。」
無口でひっこみ思案だった少女は、
長い年月をえんやこらっと乗りこえる間に、
たくましく、ずーずーしく変貌しているものなの。
「うん、いいよ。」相変わらずもったいぶってるのね
近頃流行のカフェ
あなたはコーヒー、
私はキャラメルマキアート
そう、中年の女は新し物好きなの・・・
それから2時間半
私は3年前に多々の事情で、
その、様々な、色々な事情で、
一人になった
あなたは2年前に伴侶を亡くした
そろそろ定年後の暮らしを考え始めている
そうか定年か・・
お互い50も半ば過ぎ、
四捨五入で、ま、勘定することなのか」
たわいのない想い出話は盡きない、盡きたくない
30年を二時間半で飛びこして
二人の気持ちは20
初めてのデート「真夜中のカウボーイ」
30年を二時間半で飛びこして
二人の気持ちは21
ぎこちないFirst Kiss あなたの誕生日
「ご飯どうしてるの?」
「自分で作るんだ。これが結構大変でさ
時々こうやってお惣菜買うんだ。最近、
おいしい物何でも揃ってっるからね。」
「そうか、大変ね。」
「ま、でも自由にいろいろ出來るから、
考えようによっちゃ楽しいよ。」
2杯目のキャラメルマキアートのストローが
切なく空気を吸っている・・・
「ねえ、どっかで一杯やろうか 」
「そうだな、家で誰が待ってる訳でもなし
ここだったら、あそこのホテルがいいな」
「え、ホテル?」
「おー、眺めもいいし、メシも結構ウマイから。」
「じゃあ、おから入れといてあげようか。」
泥つきゴボウも二つに折って、バッグの底に押し込めた。
人混みの中、あの頃みたいに並んで歩く
夕闇がそろそろ星のカーテンを降ろし始める
愛想のいいウェイターが「奧様、
ジャケットの方おかけしてよろしかったでしょうか。」
最近、この何々の方何々してよろしかったでしょうか、
という訳のわからない日本語が気になるんだ私
奧様か そうなってたかも知れなかった。
30年を2時間半で飛びこして
二人の気持ちは20
いつも歌ってくれた しゃがれた
「Blowon'in the Wind」
30年を2時間半で飛びこして
二人の気持ちは21
別れた理由が 今だに見つからない
キャンドルライトが揺れている
私の心も揺れている
ライティングはOKよ
目尻のシワが少しはごまかせるわ
「とりあえずビール。」と彼。
「あー、私はドライな赤ワイン。」
「最近、食えなくなってさ。」
「あ、あたしも。」
「最近、飲めなくなってさ。」
「あ、あたしも。」
って言いながら、ヤダー
私ったら、グビグビグビグビ4杯目
「女房がね。」
「うん。」
「女房がさぁ。」
愛してるのね、女房を今も。
イヤダ、私、女房に嫉妬してる
本當の愛がどんなものなのか
傷つけ合う事も愛し合うこと
も知らなかった少女の戀がよみがえる
あれから30年、いろんな事があったわ、私にも
お互いに乗り越えてきたのね
様々な時代を・・・。
「そろそろ行かなくっちゃ 久しぶりに楽しかった!」
「こちらこそ 」
「元気でね 」
「君も元気で 」
「きっと又會えるね 」
心の中でつぶやく
30年を二時間半で飛びこして
二人の気持ちは20
初めてのデート「真夜中のカウボーイ」
30年を二時間半で飛びこして
二人の気持ちは21
ぎこちないFirst Kiss あなたの誕生日
いつも歌ってくれた しゃがれた
「Blowon'in the Wind」
別れた理由が 今だに見つからない