Shiroitori 歌詞
白い鳥 - 越野竜太
詞:Ryuta Cosino
曲:Ryuta Cosino
僕たちは見わたすかぎり
瓦礫の大地にたどりついた
地に落ちた屋根と
洗面器のかたわらで
白い鳥は羽をひろげたまま
死んでいた
自から無くしたことに
嘆けないほど
墮落した魂の無慘な
ヌケガラをさらし
陽當たりの悪い場所で
更に雨が降りそそぐ
ような毎日を
悪意のない人々は生きている
沈黙とチャラい言葉では
ひどい男が
明日も昨日を
引きずって歩く未來が
待ち受けるのだ
花は枯れ雲は晴れても
灰色の空
漆黒の太陽のまわりに
かろうじて光を
確認できるのだけれど
意識はたやすく
海の底に沈んでいった
上も下もわからない海の中で
プランクトンに
陽が當って出來た
星空をさまよう
記憶
次第に光りが屆かなくなり
闇の先に闇を見ると
イメージだけが
唯一視界のおもかげを
殘している
記録
恐怖と安堵がめまぐるしく
脳裏に映し出されて
息をするのも忘れた頃
死も生も無になってただ
通り過ぎるのを
待つだけなんだね
砕けたサンゴのビーチでは
波打ち際でキャラキャラと
心地良い音が波の音の中に
出たり入ったり
まばゆい太陽で
細めた視界の先に
白いヤドカリが一つだけ
誰かの殻を
背おって歩いている
澄みきった空を見上げると
白い鳥が飛んでいた